近年、地球温暖化問題をはじめ、地球規模での環境問題が人類の重大なテーマとなっています。京都議定書の発効、ポスト京都を踏まえた中長期的な地球温暖化防止の枠組づくり等を背景に、実効性ある地球温暖化防止策を講ずるためには、地域レベルでの地球温暖化防止への対応が求められており、地域主導、地域発の様々な取組みが必要だとされています。同時に、東京の一人勝ち・一極集中の勢いが止まらず、特に農山漁村地域においては、担い手不足を原因のひとつとして第一次産業の衰退が進み、同時に高齢化が進行しており、地域の再生・自立や地域活性化が地方における緊急な課題となっています。
しかし、その具体的な政策化は立ち遅れているのが現状であり、環境保全・再生と地域活性化のための政策の立案が急務です。
持続可能なまちづくりをめざした、コンパクトシティやサスティナブルシティ。風力やバイオマスなど、地域資源を活用した自然エネルギーの開発と推進。欧州沿岸辺境地域会議(CPMR:Conference of Peripheral Maritime Regions)など地域課題解決のための組織化など、1990年代以降ヨーロッパを中心に様々な取組みが進められており、ここ数年、日本でも同様の取組みが試行されつつあります。
また、自然エネルギーの導入促進についても世界的規模で進められつつあり、日本においても2010 年の新エネルギーの導入目標をめざして取組みつつあります。
しかし、その取組みが地域資源を活用したまちづくりや地域活性化には至っておらず、具体的な政策の立案が急務です。
以上のような問題認識のもと、特に本年の通常国会(第百六十九国会)で民主党が参議院に提出した「地球温暖化対策基本法案」で示すとおり「2050 年より早い時期にCO2排出量60%超削減(1990 年比)」を実現するためには、市民・事業者の省エネ努力や原発依存などの小手先のエネルギー転換では実現できず、
- 地域自立型のエネルギー政策を構築
- 地域、市民主導による、自然エネルギー、再生可能エネルギーへの大幅な転換と利用促進
などが必要で、なおかつ、それらが地域経済の発展へ結びつくような省エネ(エネルギー効率の向上)推進、自然・再生可能エネルギー利用の仕組みをつくる事により、現在見られる東京一極集中型の日本の都市構造を地方分散・自立型に再編する動きに結びつけていく事が求められています。
そして、本調査は「地域資源を活用した自然・再生可能エネルギーの開発」に関する現状と課題を整理し、参考になる国内事例を紹介し、その政策化に向けた基礎資料とするものです。
「環境保全・再生と地域活性(自立)化」に関する調査・報告書
- 「環境保全・再生と地域活性(自立)化」に関する調査・報告書概要版(PDFファイル・104KB)
- 「環境保全・再生と地域活性(自立)化」に関する調査・報告書(PDFファイル・3.5MB)